2020年3月4日水曜日

社会学感覚3−増補 ウェーバー再入門

社会学感覚(文化書房博文社1992年/増補1998年)
行為の意味を理解する

 社会学書の出版がきわめて困難だった時期にも出版業界では「ウェーバーだけは売れる」といわれてきた。ウェーバーは社会科学全般にかかわる巨匠であり、したがって需要も多いのである。その分、出版点数も多く、何を読めばいいか戸惑うかもしれない。最近出版された概説書では次のコンパクトな一冊を薦めておきたい。
 山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』(岩波新書一九九七年)は、ウェーバーにおける近代との緊張関係を『古代農業事情』を主軸に据えることによって明確に構図を提示したもの。緊張関係としかいいようのないウェーバーの人生の「救済」のありかを示している。ただし、かなり高度であり「ウェーバー再入門」とも呼ぶべき書である。
他方、ウェーバー自身の主要作品の翻訳も入手しやすくなった。マックス・ヴェーバー『古代ユダヤ教(全三冊)』内田芳明訳(岩波文庫一九九六年)はそのひとつ。

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